ITV 2019

Salone del Mobile.Milano 2018

ミラノサローネ国際家具見本市

www.salonemilano.it

Place: Rho Fiera, Milano, Italy.

Date: 17 to 22, April 2018

Exhibitors: 1,841 (Company)

Visitors: 435,065


第57 回ミラノサローネ国際家具見本市:クオリティー、イノベーション、クリエイティビテ家具業界においてのクオリティー、イノベーション、クリエイティビティの世界最大のショーケース。魅力溢れる様々なイベントとプロジェクトで盛り上がっていた。ミラノサローネ国際家具見本市は、ミラノ市との相互関係をより強化し、更なる国際化を目指し、デザインの街ミラノに数多くのデザイン・プロジェクトを実現していた。

期間中には世界中から来場者が押し寄せる。起業家、ジャーナリスト、知識人、批評家、デザイナー、建築家、クリエイター、ナレッジワーカー、美の愛好家など、ミラノに30 万人以上の人々が集まる。ミラノサローネは、エモーション/感動と興奮の場なのだ。世界が注目するイベントへの参加はビジネスを飛躍させる機会投資であり、イベント主催者も、最高のステージを提供するために企業と一丸となって準備に余念が無い。そのため、このイベントはもはや単なる見本市に留まらず、業界関係者はもとより、デザインに無関係な人々まで多くを魅了する唯一無二のイベントと化している。今や誰もが一度は来たいと思うミラノサローネ。企業、クリエイター、トレンドハンターなどが、デザインや革新、生産、受注、それぞれに関わる人とのコンタクトを求めて訪れている。

この現象が、ミラノサローネを通してデザイン- 製品- 品質- 革新- 都市- 価値- の素晴らしい繋りを作り出し、このプロセスの循環が新たな経済効果を生み出している。

ミラノサローネは、クラシックからモダンデザインまで、2,000 社以上(内 30%は海外出展社)の企業が家具を発表する場。世界中の素晴らしい生産者から厳選された海外出展社もひしめき合う華やかな見本市の舞台だ。全てが一貫となりこのシーズンに向けて最新作をリリースしている。アイデア、ニーズ、経験を共有し、ビジネスネットワークを発展させ、それぞれの技術、特異性、能力を互いに高める貴重な交差点になっている。

ミラノサローネでは20 年以上にわたり、世界のクリエイティブな若者の才能を育む展示サローネサテリテを開催している。サローネサテリテでは、未来のデザインを暗示するプロトタイプを展示。参加デザイナーは、自己の作品を製品化する適切な企業を見つけることができたり、また逆に、新しいアイデアを求めて偵察にくる企業の目に留り製品化されたりと、需要と供給が一致する唯一の場だ。メディアも世界中から集まり、全国紙からデザイン誌、ファッション誌も精力的に取材する場所だ。ミラノサローネには毎年5,000人以上のジャーナリストが世界中から来場することを思えば、ここサテリテでの出展は世界に向けたフィジカルなマーケティングであると言い切れる。もちろん、進化するデジタルツールにより、こうしたフィジカルなキッカケが、国境やあらゆる障壁を超えて、情報の普及拡大の可能性を広げるのは言うまでも無い。

何か新しい時代の動きを体感出来るミラノサローネ。常にプログレッシヴに進化し続け、混沌とした時代の新たな方向性を示唆し、時代の潮流を感じる事が出来る世界屈指のクリエイティブムーブメントだ。時代の流れもあり、過剰マーケティングやコマーシャライズしてしまっている部分は否めないが、それは市場の原理。乱高下を繰り返しながら、拡大し頂点に向かっているのだろう。時代の旬を感じ取り、何が起きているのかを体感できる場所が、ここミラノサローネなのだ。カオティックで何かが吸い込まれ消滅し、そしてまた新しい何かが起き、増殖、生き残ってゆく。自然の摂理を身を以て体感出来る、エキサイティングなイベントだ。時代の流れに負けないように、御自身のアンテナで確実な変化を観測していただけることを節に願って止まない。

MOROSO

www.moroso.it

今回の注目はDanish-Icelandic アーティストOlafur Eliasson のGreen Lightシリーズ。テーブルとシェルフシステムで、Olafur Eliasson の代表作であるフルスケールのGreen lightをモジュール化したものだ。Edward van Vliet のソファシステムJOSH。日本の布団からインスパイヤーし、グラフィックテキスタイルは生け花をモチーフにしている。Patricia Urquiola は数多くのプロダクトを発表。ラウンジチェアーのLilo にはヘッドレストの大きいものが用意された。クロスの網目がユニークなMathildaシリーズも新作バリエーションを追加。非対称フォルムのソファMellowは、以前Patricia Urquiola やMarcel Wanders での仕事歴を持つFederica Capitani の新作。ウッドテーブルのil NATURALE はHeinz Glatzl & Joachim Mayr デザイン。Schotten & Hansen が木材の仕上げを担当している。アフリカンコレクションのM’afrique では、Seku チェアーが新作に。その意味はWolof 語で西アフリカと言う意味。また、昨年リリースしたPipe アームチェアーとデイベッドに続き、ダイニングアームチェアーとテーブルを発表。SekuとPipeシリーズのデザインはSebastian Herkner。Scholten & Baijings によるStrap チェアーはアームレスト付きのスタッカブルな軽量な椅子シリーズ。最大の注目だったのはBenjamin Hubert / LAYER によるTapeコレクション。ポリウレタンテープを使ったコレクションで、シームレスに織り繋ぎ目無しで加工している。生地廃棄を無くす試みから生まれたアイデアだ。Niels Bendtsen のYUMI はシームレスなラウンドフォルムが特徴のラウンジチェアー。当初はカーボンで製作された3Skin にSoftシリーズがテキスタイル仕上げで登場。

Design:Ron Arad。

COLLECTIBLE 2018

コレクタブル2018

www.collectible.design

Place: Vanderborght building, Schildknaapstraat 50 rue de l'Ecuyer 1000 Brussels

Date: 7 to 11, March 2018

Exhibitors: 15 / 37 / 8(Gallery / Design Studio / Projects)

Visitors: 7,000


コンテンポラリーデザインとアートの展示会

ブリュッセルで開催されたコンテンポラリーデザイン&アートの展示会COLLECTIBLE。新しいユニークな試みで、昨今のデザイン&アートの市場の盛り上がりを捉えた成長市場を狙ったフェアーになっている。ベルギーはブリュッセルの中心街に位置するアートやイベントをホストする空間Vanderborght buildingで開催されていた。

ヨーロッパでは数多くのアートフェアーが開催されるが、どのフェアーもそれぞの歴史とスタイルが存在し、そのフェアー特有の潮流とスタイルを貫いている。こうしたフェアーには独自のテイストを持ったコレクターやスポンサーが存在し、その流れを尊重した形で開催されている。アート&アンティーク関係のフェアーも同様で、コレクタブルな希少性のあるアートピースはアンティークにしてもモダンコンテンポラリーにしても珍重され希少価値が高い。昨今の若手デザイナー達とそれを取り巻くキュレーター、ディレクター、アートディーラーも、進化する若手アーティスト達の作品や現在の新しい感覚でキュレーションを行う事が盛んになっている。それらの打ち出す新たな時代性を表現し、市場に繋げる役割を叶えるフェアーを模索しているが現在の状況だ。そこで立ち上がったのがこのCOLLECTIBLE なのだ。


コレクタブルデザインの存在を強化してゆく流れ

このフェアーの創立者は、Cl四ie Debehault とLiv Vaisberg の2 人。「私たちの目的は、成長するデザインアート市場に注目し、情熱的なコレクター、アートコレクターやデザインプロフェッショナル達が少しでも満足してもらえる文化的な背景を持ったコンテンポラリーデザインの場を目指すと言う事です」現在では、コレクタブルアートの市場を提供しているフェアーはParis、London、Basel やMiami が有名だ。しかし、彼らが提供している殆どの共通点は20 世紀の作品からヴィンテージ、そしてデザインアートなコレクタブルも混成するスタイルだ。そういうミックス型のスタイルでは無く、ここCOLLECTIBLE では、最新のコンテンポラリーアート&デザインでユニークなリミテッドエディションの提供を目指していると言う。かなりラディカルなスタンスだが、このCOLLECTIBLEを支える委員会メンバーを始め、最先端のデザインアートを扱うギャラリー、VIP コレクターやデザインプロフェッショナルを納得させるだけの素晴らしい作品が並ぶ。彼らの美しさへのサプライズは続く「デザイン&アートの世界へ新しい視点を持ってもらう事を望んでいます」コンベンショナルな普通の概念を時代を追って変化を加えてゆく事は進化してゆく事である。これらの試みが新たなスタンダートをもたらす事で、盛り上がるデザイン&アート市場の世界的成長に寄与するこに違いない。フェアー

の新たな形式やスタイルは、世界中のいかなる展示会も模索している。標準化する事に息苦しさを感じる時代だからこそ、この新たな21 世紀のコンテンポラリーアート&デザインの流れがさらに「たおやかに」拡大してゆくことを期待したい。

Victor Hunt

www.victor-hunt.com

2008 年創業。ブリュッセルのデザインアートディーラーのヴィクターハント。リミテッドエディションの若手クリエイターの作品を取り扱う。カッティングエッジなプロダクトを中心に「Design&Art」の境界線を模索している。インダストリアルデザイン、クラフト、建築、彫刻、コンセプチュアルアート、インスタレーションや様々な境界線を刺激する作品を取り揃えている。

Designers: Designers:Tomás Alonso, Sylvain Willenz, Maarten De Ceulaer, Sabine Marcelis, Kwangho Lee 

Valerie Traan gallery

www.valerietraan.be

Valerie Traan はアントワープに拠点を置くデザインギャラリー。ギャラリーながらアーティストとのコラボレーションによるオリジナルの製品にも力を入れている。デザイン、アート、アーキテクチャーが交差し合う領域のクリエイティブをバランス良く扱う。Fien Muller とHannes Van Severen2人組みによるMuller an Severen のプロダクトは特に代表的なコレクションだ。今回も彼らの作品に加え、新旧交えた作品を紹介していた。クリエイティブジュエリー作家のOctave Vandeweghe。素材の再構築がスタイルのRikkert Paauw。Chevalier Masson のテキスタイルチェアー。エクスペリメンタルデザイナーのUNFOLD によるSkafaldo シリーズの新作。2004 にリリースしたWieki Somers のChinachairシリーズも展示していた。

London Design Festival 2018

ロンドン・デザイン・フェスティバル 2018

www.londondesignfestival.com

Place: London, U.K

Date: 15 to 23 September 2018

Exhibitors: 400 (Company)

Visitors: 420,000


9日間のデザインキャピタルの世界へ

益々盛り上がりを見せていたLondon Design Festival 2018。ロンドンのクリエイティブエコノミー活性化は2003 年から始まり、現在では秋の恒例イベントとしてだけで無く、世界から注目されるデザインプラットフォームとして知れ渡っている。2018 年は400 以上のプロジェクトが企画され、展示会、ミュージアムイベント、インスタレーションなど、昨年にも増して盛り上がりを見せていた。ロンドンはデザイン経済を確実に手元に置き、それを活性化させ成長拡大させている。

ロンドン市内の各所で開催されるイベントは大きく分けて2 カテゴリーになる。シティーイベントの中心はいわゆるトレードフェアーと展示会だ。これは、ロンドンの市内近郊で開催されプロフェッショナル向けのイベントになる。これらは、国内外のメーカーやプロデューサー、ホールセラー、バイヤーのためのトレードフェアー。

100% Design、designjunction、Focus/18、London Design Fair、Decorex International などがそれにあたる。もう一方は、同時期に開催されるのはデザインディストリクトというイベント。これらは地域の活性化を目的としたイベントで、ショップやショウルームが集まる地区で開催され、デザインウィークの様な流れのイベントだ。一般向けのお祭りのような感覚で

開催されるものが多い。万人が楽しめる感覚で、デザイン専門家や建築関係のプロフェッショナルだけでなく、地元民、来訪者まで含んで盛り上がっている。

Fitzro via Design District、Marylebone Design District、Regent Street and St James’s Design District、Victoria Connections Design District、West Kensington Design District、Bankside Design District、Brompton Design District、Clerkenwell Design Quarter、Mayfair Design District、Pimlico Road Design District、Shoreditch Design Triangle。

地域ビジネスとそこに暮らす人々がデザインを通して共有/成長することが、このロンドン・デザイン・フェステュバルが目指している未来の形と言う事だ。こうした共創こそが大規模なデザインイベントの到達する一つの姿なのかもしれない。数多くのイベントが東西南北各所で開催され、盛り上がっているロンドン。2020年にはBrexit を控え、忙しない不安な社会経済状況は続くが、新しいソーシャルクリエイティブプラットフォームとして確立したクリエイティブエコノミーの土壌で、どのように都市が変貌を遂げてゆくのか、まだまだ見逃せない。

MultiPly by Waugh Thistleton

www.waughthistleton.com

www.vam.ac.uk

ヴィクトリア&アルバートミュージアムはLondon Design Festival のポータル展示の拠点になっている。その中で一際目立っていた展示のMULTIPLY。WAUGH THISTLETON ARCHITECTS によるAHEC / American Hardwood Export Councilとのコラボレーションで実現している。未来の年生活環境を意識した空間では、拡張性を重視し、環境に優しい素材を選択、責任ある行動による環境作りを提案。

Mint shop

www.mintshop.co.uk

エクレクティックな最新の若手デザイナーを世界中からキュレートするMINT。敏腕オーナーはLina Kanafani。「TRANS - FORM / 変容」実験的でイノベーティブな作品の多くをコレクションしている。今季は20 周年にあたり、素材が時代とともにドラスティックに進化していることを受け、60 人に上るエッジィなクリエイターの作品を紹介していた。持続可能な社会と技術革新がもたらす若手デザイナーへの進化過程を垣間見ることが出来た。Marco Guazzini によるMarwoolus Collection は、マーブルのストーンパウダーを再利用し、再生ウールと混成した素材を開発。Stine Mikkelsen は溶岩パウダーを使ったオブジェFormationsをリリース。